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私が中野童男氏に着目したのはハンブルクでの現代日本陶芸展に於いてだった。
この時受けた印象は、後になってさらに裏付けられた。それは中野氏の作品が決して誇張した働きかけをとっていないにも拘わらずである。
今日、世界中で、特異な形状を通して器体を既成概念から開放しようと試みる陶芸家は数多い、
それでも器体にはまだ造形の可能性が十分残っている。
中野氏は、それを明瞭に眼の当たりに示してくれるている。
興味深いのは、中野氏が須恵器にあるようなふるい技術を復活させ、それによって新しい表現を編み出している点である。
しかも、何より我々を魅了するのは、自然釉だけによる活き活きとしたその表面の構造である。
これが西洋の眼にとっては極めて現代的に映るのである。